泉州タオルが教えてくれる、「後晒し」という地場産業の知恵
泉州タオルとは?結論から言うと「後晒し」が生む吸水力
大阪・泉州は日本のタオル産業発祥の地で、今も国内生産量の半分近くを占める産地だ。その品質を支えているのが「後晒し」という製法。多くのタオル産地では糸の段階で先に精練・漂白してから織るが、泉州タオルは織り上げた後にまとめて晒す。結論から言うと、この順番の違いが、洗うほどにふわふわになる独特の風合いと高い吸水性を生んでいる。

なぜ「後で晒す」だけでこんなに違うのか
糸を先に晒してしまうと、織る過程でどうしても油分や糊が生地に付着してしまう。後晒しはその逆で、織り上がった生地をまるごと精練・漂白するため、余分な油分や糊が最後にきれいに落ち、綿本来の吸水性と柔らかさがそのまま生地に残る。手間はかかるが、その分値段以上の肌触りになる。
一つの技法が、産地を「らしさ」にする
後晒しは決して目立つ技術ではない。だが130年以上続くこの一手間が、泉州を「タオルのまち」たらしめてきた。豆腐ブランドを作ろうとしている自分にとっても、大阪という土地でものづくりをする以上、こうした先人の手間の意味を知っておきたい。真剣に、緩く、楽しむ。地味な一手間を面白がれるかどうかが、結局はブランドの物語になるのだと思う。地域に根ざしたものづくりの話は、以前書いた堺打刃物が教えてくれる、地域文化の育て方でも触れている。
まとめ
- 泉州タオルの柔らかさと吸水性は「後晒し」という順番の違いから生まれる
- 先に晒すか後で晒すかで、油分や糊の抜け方がまったく変わる
- 地域文化は、地味だけど譲れない一手間の積み重ねでできている