豆腐に使う大豆、国産はなぜ3割に届かないのか?
結論から言うと、豆腐に使われる大豆のうち、国産の割合は約29%にとどまる。残りの約7割は輸入大豆で占められている。「豆腐は日本の食べ物なのに、なぜ大豆は海外産が多いのか」という素朴な疑問には、自給率・価格・供給の安定性という3つの壁が関係している。
豆腐に使われる大豆、国産の割合はどれくらいか
農林水産省の調査によると、豆腐・豆乳向けに使われる大豆は年間約44万トン。このうち国産大豆は約13万トンで、国産比率は29%にとどまる(令和4年度実績)。日本の大豆全体の自給率が6%前後であることを考えると、豆腐向けの29%はむしろ高い部類に入る。国産大豆は「味の良さ」という品質面で実需者から評価されており、豆腐・煮豆・納豆など、味が製品の個性を左右する食品に優先的に使われているためだ。
なぜ大豆の自給率は低いままなのか
理由は単純で、天候リスクと価格の不安定さにある。大豆は湿害に弱く、麦の収穫後に種をまく地域では梅雨の時期と重なり、発芽不良や種まきの遅れが起きやすい。天候による生産量の振れ幅が大きいため、価格も安定しない。一方で輸入大豆は大規模生産・大量輸送によって価格が安定しており、加工業者にとっては扱いやすい。国が生産努力目標を掲げて増産を後押ししているのも、この構造的な弱さを補うためだ。
国産大豆へのこだわりが生む物語
将来、自分の豆腐ブランドを持ちたいと考えるとき、この「なぜ国産は少ないのか」という問いは避けて通れない論点だと感じている。価格や供給の不安定さは事実だが、裏を返せば「国産大豆を選ぶ」こと自体が、他にはない物語になり得るということでもある。どの産地の大豆を、どんな想いで選んだのか。その背景を伝えることは、値段の高さを補って余りある価値になり得る。作り手の苦労や土地の事情に共感し、それを言葉にして伝えることが、結局は選ばれる理由になっていく。
まとめ
- 豆腐に使われる大豆のうち、国産の割合は約29%(農林水産省調べ、令和4年度実績)
- 大豆全体の自給率が6%前後であることを考えると、豆腐向けの国産比率はむしろ高い水準にある
- 国産大豆が伸び悩む背景には、天候リスクによる供給の不安定さと価格変動がある
- 国産大豆を選ぶという選択そのものが、豆腐づくりにおける「物語」になり得る
参考文献
国産大豆の需要動向について(農林水産省 農産局穀物課、令和6年8月5日) → https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/daizu/attach/pdf/r6daizukaigi-4.pdf
特集1 大豆(2):農林水産省 → https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1606/spe1_02.html