チェーンステッチとは?デニムの裾に職人技が宿る理由
チェーンステッチとは何か
結論から言うと、チェーンステッチとは一本の糸を裏側で鎖状のループにして縫い進める縫い方のことで、デニムの裾上げでよく選ばれる技法だと思う。表からは普通のステッチに見えるのに、裏を返すと編み物のような輪っかが連なっている。
なぜロープ状のシワ(パッカリング)が生まれるのか
チェーンステッチは糸が輪っかで繋がっている分、生地を引っ張ると縫い目そのものがきゅっと縮む性質を持つ。この収縮が繰り返され、裾に波打つような凹凸——いわゆるパッカリングが育っていく。ヘム幅が細いほど波は細かく、太いほど大きなうねりになるらしい。何年も履き込んだデニムの裾がロープのようにねじれて見えるのは、この仕組みのおかげだ。
職人技が問われる理由
チェーンステッチ用のミシンは、シングルステッチのミシンよりも扱いが難しいと言われる。糸調子や送り速度をわずかに間違えるだけで、パッカリングの出方が変わってしまうからだ。デニムを5本ほど育てている身としては、同じチェーンステッチでも仕上げてくれる職人によって、育ち方の表情がまったく違うことに何度も驚かされてきた。
以前書いたセルビッジデニムの記事(https://akiokatatsuya.com/selvedge-denim-aging-reason/)でも触れた経年変化の話とも、この裾の仕上げは深くつながっている。
まとめ
- チェーンステッチとは、一本の糸を裏側で鎖状に縫い進める技法
- 生地が引き締まる性質が、裾のロープ状のパッカリングを生む
- 同じ技法でも職人の腕次第で経年変化の表情が変わる
裾ひとつにもこれだけの理屈と職人技が詰まっていると知ると、デニムを育てる時間がますます愛おしくなる。真剣に、緩く、楽しむ。を地で行く趣味だと思う。
参考文献
- チェーンステッチとは?シングルステッチとの違い・メリット・裾上げで選ばれる理由(https://amecasu-fan.com/basic-guide/chain-stitch/)
- デニムの裾上げ|チェーンステッチで仕上げる理由と魅力(https://bradmaster.com/blog/176718096/)