セルビッジデニムとは?色落ちが美しくなる理由

気づけば愛用のデニムが5本に増えていた。育てる感覚が楽しくて、つい手が伸びてしまう。今日はそのデニムを普段より少し掘り下げて、「セルビッジデニム」について書いてみたい。

セルビッジデニムとは?結論は生地の「端」にある

結論から言うと、セルビッジデニムとは、古い織機でゆっくり織られた、端が「ほつれない」生地のことだ。セルビッジ(selvedge)は「self-edge(自らほつれない端)」が語源とされ、現代の広幅織機とは違う昔ながらのシャトル織機が、一本の糸を行き来させながら時間をかけて織り上げることで生まれる。効率を求めない分、大量生産の生地にはない風合いが宿る。

なぜ穿くほどに表情が変わるのか

シャトル織機は現代織機より織るスピードが遅く、糸の張り方にムラが出やすい。このムラが、色落ちしたときの陰影や立体感になる。糸の芯まで染まりきらないインディゴ染めの特性と重なり、擦れる部分から白いホワイトコアが顔を出し、持ち主だけの色落ちパターンが刻まれていく。以前書いた「チェーンステッチ」の記事でも触れたが、デニムは生地そのものだけでなく、縫製の一針一針にも同じように職人の手が入っている。

児島発、「一貫生産」という日本のものづくり

日本のデニムづくりの厚みは、一つの街が素材から縫製まで請け負う「一貫生産」の仕組みにある。1965年、岡山・児島でビッグジョンが国産ジーンズを初めて製造・発売したのが、日本のデニムの原点とされる。以来、糸を紡ぐ、生地を織る、染める、縫う、加工するという工程が同じ地域内で完結する体制が育ち、世界のブランドからも品質を評価されるようになった。

営業企画の仕事をしていると、つい「早く・効率よく」に気持ちが向きがちだ。だからこそ、手間のかかるものづくりに触れると背筋が伸びる。akiokatatsuya.comでこれからも、そういう「手間を楽しむ」感覚を書いていきたい。

まとめ

  • セルビッジデニムは、旧式のシャトル織機でゆっくり織られた「端がほつれない」生地のこと
  • 織りのムラとインディゴの染めムラが重なり、穿きこむほど独自の色落ちが生まれる
  • 日本のデニムは児島発の「一貫生産」の仕組みに支えられている

真剣に、緩く、楽しむ。デニムも仕事も、時間をかけて育てていきたい。

参考文献

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